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英語の前置詞とは?中学英語と大学受験で求められる理解の違い
英語の前置詞とは、名詞の前に置かれて場所・時間・方向などの関係性を示す品詞のことです。
わたし自身、地方の県立高校から東京大学を目指す過程で、前置詞の使い分けに長く苦しみました。単語や熟語をどれだけ覚えても、前置詞だけは日本語訳との対応が一対一にならず、模試のたびに違うミスを繰り返していました。中学英語では一覧を覚えるだけで乗り切れますが、大学受験の英作文では文脈に応じた正確な選択が求められます。家庭教師として指導する生徒の答案でも、前置詞の誤りは減点の主要な原因になっています。
前置詞の基本的な役割
前置詞は場所・時間・方向・手段など、名詞と文全体の関係を結びつける働きを持ちます。動詞や名詞の直後に置かれるだけで文の意味が大きく変わるため、単独の単語としてではなく、周囲の語句とのつながりの中で理解する必要があります。inやon、atのように似た用途を持つ前置詞ほど、使い分けの基準を言語化しないまま感覚だけで覚えると本番で迷いが生じます。文部科学省の中学校学習指導要領解説でも、前置詞は基礎的な文法事項として位置づけられています。
中学英語と大学受験英語で求められる理解の違い
中学校段階では、前置詞は基本的な用法を一覧で覚える範囲にとどまります。一方で東京大学の入試では、自由英作文や和文英訳の中で前置詞を自力で選択する力が問われます。選択肢から選ぶ問題とは違い、白紙の状態から正しい前置詞を自分で導き出す必要がある点が、大学受験特有の難しさです。単語帳の意味を覚えるだけでは対応できず、文脈の中で使い分ける訓練が必要です。
前置詞の使い分けでつまずく典型パターン
前置詞の使い分けにつまずく最大の原因は、日本語訳を一対一で暗記し、文脈ごとの使い分けを整理していないことです。
イメージ暗記だけでは対応できない理由
前置詞をイメージ図だけで覚える方法は、直感的な理解には役立ちます。ただし、in/on/atのように複数の前置詞が同じ場面で使える文脈では、イメージだけでは判断基準が定まりません。指導していても、生徒が「なんとなくonな気がする」と答える場面に何度も出会いました。結果として、試験本番では似た前置詞の中からなんとなく選んでしまう状態に陥ります。
東大英語の英作文で頻出する前置詞ミス
東京大学の英語は要約・読解・自由英作文・和文英訳・リスニング・文法を含む総合力が問われる形式です。指導した生徒の答案でも、depend onをdepend forと書いてしまう、arrive atをarrive toと書いてしまうなど、動詞と前置詞の組み合わせの誤りが繰り返し見られます。こうした誤りは文全体の意味は伝わるため見落とされがちですが、自由英作文では細かな減点として積み重なります。
場所・時間を表す前置詞(in/on/at)の使い分け
in/on/atは範囲の広さという一つの基準で整理すると、場所と時間のどちらにも一貫して応用できます。

場所を表すin/on/at
atは一点、onは接触した面、inは空間の中を表します。駅の中というピンポイントな場所ではat the station、机の上のように接触している場合はon the desk、部屋の中のように囲まれた空間ではin the roomのように整理できます。地名や住所でatとinのどちらを使うか迷う場合も、範囲を点として捉えるか面として捉えるかで判断できます。
時間を表すin/on/at
時間の前置詞も同じ基準で説明できます。時刻というピンポイントな瞬間にはat 7、日付という区切りにはon Monday、月や年という広い範囲にはin Augustを使います。曜日や日付にonを使う理由も、カレンダーの一区画という面のイメージで捉えると納得しやすくなります。場所と時間を同じ基準で覚えると、暗記量を減らせます。
方向・手段を表す前置詞(to/by/with/for)の使い分け
方向や手段を表す前置詞は、動作の終着点を示すか手段そのものを示すかで整理すると混同を防げます。
方向を表すto/for
toは到達点そのものを示し、forは方向や対象を示します。学校へ向かうという到達を明示する場合はgo to school、東京行きの電車のように方向を示す場合はa train for Tokyoのように使い分けます。leave for Tokyoのように、実際に到着したかどうかまでは言及しない表現でforが使われる点も、この基準で説明できます。
手段を表すby/with
byは手段や方法全体を示し、withは道具や付随する要素を示します。電車で通学するという交通手段の場合はby train、ペンで書くという道具の場合はwith a penのように整理すると、動詞ごとの丸暗記を減らせます。手段そのものを言い換えられるかどうかで、byとwithのどちらを使うか判断できる場面も多くあります。
大学受験の英作文で前置詞を得点源にする学習ステップ
前置詞を得点源にするには、意味の暗記ではなく、動詞や名詞との組み合わせごと型として身につける手順が有効です。

STEP1 基本前置詞の意味を型として整理する
はじめに、in/on/at・to/for・by/withのような対になる前置詞を、場所と時間の両方に共通する基準で整理します。動詞ごとに個別暗記するのではなく、前置詞そのものが持つ核となる意味を型として先に固定します。ノート1ページに前置詞ごとの核となるイメージと例文を1つずつ書き出すだけでも、頭の中の整理が進みます。
STEP2 例文暗唱でアウトプットに変換する
次に、depend on、arrive at、be interested inのように、頻出する動詞・形容詞と前置詞の組み合わせを例文ごと音読し、暗唱できる状態にします。読んで理解する段階から、口と手が自動的に前置詞を選べる段階まで引き上げます。
STEP3 自由英作文で前置詞ミスを自己添削する
最後に、東京大学の自由英作文形式を想定した英文を実際に書き、前置詞の部分だけを見直す自己添削を行います。指導する生徒にも、書いた英文の前置詞に印をつけて根拠を説明させる練習を重ねてもらっています。根拠を言葉で説明できない前置詞は、その場で辞書と例文に戻って確認します。
前置詞学習でやってはいけない勉強法
前置詞の学習でもっとも遠回りになるのは、一覧表の暗記だけで終わらせ、英作文でのアウトプットを後回しにすることです。
一覧表の丸暗記だけに頼る
前置詞の一覧表を眺めて日本語訳を覚える勉強法は、知識としては残ります。しかし、実際の英作文で使う場面になると、どの前置詞を選べばよいか判断できないまま止まってしまう生徒を数多く見てきました。一覧表はあくまで最初の入口であり、そこで学習を終えてしまうと得点力にはつながりません。
英作文練習をせずインプットだけで終える
参考書や単語帳で前置詞の意味を確認するだけで満足し、実際に英文を書く練習に進まないケースも同様です。前置詞は使ってみて初めて誤りに気づける分野のため、アウトプットの機会を意図的に確保する必要があります。
まとめ
英語の前置詞は、地道な暗記ではなく、意味の型を先に固定し、例文暗唱と英作文でのアウトプットを重ねることで得点源に変えられます。中学英語の一覧暗記から一歩進み、動詞や名詞との組み合わせごと使い分けの根拠を説明できる状態を目指してください。正しい手順を踏めば、前置詞は得意分野に変わります。
参考文献
- 文部科学省:中学校学習指導要領解説 外国語編:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387016.htm
- 東京大学:アドミッション・ポリシー:https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/admissions/undergraduate/e01_01_17.html

