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音楽聞きながら勉強とは|効果があるかは条件次第
音楽聞きながら勉強とは、BGMやお気に入りの曲を流した状態で学習に取り組む方法で、効果の有無は音楽の種類と勉強内容の組み合わせによって変わります。私自身、地方の公立高校に通っていた頃は、自宅の机に向かう気力が出ない日が多くありました。そんなとき、好きな曲を1曲流すことが机に向かうきっかけになっていました。
一方で、音楽が常に勉強の助けになるわけではありません。音楽が向く作業と向かない作業を分けて考えることが、ながら勉強を成功させる第一歩です。家庭教師として独学の生徒を教えていると、「音楽を聴きながら勉強している」と話す生徒の多くが、その効果を体感ベースでしか説明できず、科目ごとの使い分けまで意識していないケースが目立ちます。
東大入試では、長文読解や記述式の答案作成など、言語処理に高い集中力を要する場面が多くあります。こうした入試本番との接続を意識すると、ながら勉強は「使い方を選ぶ前提のテクニック」だと捉えるのが妥当です。
音楽聞きながら勉強するメリット
勉強へのハードルが下がる
音楽を聴くことで気分が上がり、勉強を始めるまでの心理的なハードルが下がります。好きな音楽を聴いている時は、やる気や意欲に関わる神経伝達物質が多く分泌されることが研究で示されています。
私は受験勉強を始めた高1の頃、机に向かうこと自体が苦痛でした。好きな曲を1曲だけ聴いてから問題集を開く、というルーティンを作ったことで、勉強を始める動作そのものへの抵抗感が減りました。
雑音をマスキングできる
音楽には、周囲の雑音を別の音でかき消す「マスキング効果」があります。自室で家族の生活音が気になる、図書館で物音が気になるという場合、イヤホンで音楽を流すことで外部の音を遮断しやすくなります。
地方の公立高校に通っていた当時、自宅に専用の勉強部屋がなく、リビングのテレビの音が常に気になる環境でした。音楽でマスキングすることで、限られた環境でも一定の集中状態を作れるようになりました。
作業系タスクとの相性がよい
音楽は、新しい概念を理解する場面より、すでに覚えた知識を反復する作業に向いています。数学の計算練習や、一度理解した公式の確認問題など、思考の負荷が比較的軽い学習内容では、音楽を流していても精度が落ちにくい傾向があります。
家庭教師として指導する際も、計算ドリルの時間は音楽を許可し、長文読解の時間は音楽をオフにするよう提案すると、生徒自身も集中度の違いを実感しやすくなります。
音楽聞きながら勉強するデメリット
歌詞に意識が引っ張られる
歌詞のある曲、特に日本語の歌詞は、言語処理を必要とする勉強と干渉しやすいです。文章を読んでいるつもりが、頭の中では歌詞の続きを追っている、という状態に陥ることがあります。
私自身、受験勉強中によく聴いていた曲が共通テスト当日に頭の中で繰り返し流れてしまい、現代文を読んでいる最中に集中が切れた経験があります。一度耳に馴染んだ曲は本番中にも再生されることがあるため、選曲には注意が必要です。
音楽がないと集中できなくなる
音楽を聴く勉強に慣れすぎると、無音の環境でかえって集中できなくなることがあります。試験会場では音楽を聴けないため、本番と普段の環境にギャップが生まれます。
試験会場では、シャープペンの音や周囲の咳、紙をめくる音など、普段意識しないような小さな音が耳に入ります。音楽だけに頼った環境づくりを続けると、こうした些細な音に動揺しやすくなります。
暗記系科目では精度が落ちやすい
英単語や古文単語、社会の用語暗記など、音読を伴う暗記作業には音楽が不向きな場合があります。暗記は聴覚情報と強く結びつくため、覚えたい単語以外の音が耳に入ると、記憶の手がかりが曲のほうに引っ張られてしまう可能性があります。
私が英単語を覚えるときは、必ず音楽を止めて、自分の声で発音しながら進めていました。暗記の正答率を比べると、無音時の方が安定していたと感じています。
ながら勉強に向く科目・向かない科目
音楽と相性がよい科目
数学・理科の計算演習や、すでに理解した範囲の復習は、音楽を流しても精度が落ちにくい学習内容です。新しい概念の理解よりも、手を動かす反復作業に近いため、音楽による干渉を受けにくいと考えられます。
- 数学の計算問題の反復演習
- 理科の公式を使った基礎問題
- すでに解いたことのある問題の復習
音楽と相性が悪い科目
国語・英語の長文読解や、社会の年号・用語暗記は、音楽との相性がよくありません。言語処理や暗記を伴う作業では、歌詞や旋律が思考の妨げになりやすいためです。
- 現代文・古文・英語の長文読解
- 英単語・古文単語・社会用語の暗記
- 記述式の答案作成・小論文
東大入試の二次試験は記述問題が中心であり、長時間にわたり言語処理を続ける必要があります。家庭教師として指導する際も、記述問題を解く時間だけは音楽をオフにするよう伝えています。
音楽聞きながら勉強する際の音楽の選び方
歌詞のない曲を基本にする
歌詞のないインストゥルメンタル曲やクラシック、環境音は、勉強用BGMとして比較的安定した選択肢です。言葉が含まれていないため、文章を読む作業との干渉が起きにくいという特徴があります。
私が受験期に最も多く使っていたのは、川のせせらぎや雨音のような環境音でした。曲の切れ目を意識しなくてよいため、時間の経過を気にせず作業に没頭しやすかったです。
テンポ・音量を作業に合わせる
テンポが速すぎる曲は気分を落ち着かなくさせ、遅すぎる曲は眠気を誘うことがあります。音量も、周囲の話し声がうっすら聞こえる程度に抑えると、勉強への意識を保ちやすくなります。
| 項目 | 選び方の目安 |
|---|---|
| 歌詞 | なし、または理解できない言語を選ぶ |
| テンポ | ゆったりとしたテンポを基本にする |
| 音量 | 会話がうっすら聞こえる程度に抑える |
受験本番に向けた音楽からの移行方法
無音時間を段階的に増やす
試験本番は基本的に無音環境であるため、受験が近づくにつれて音楽なしの勉強時間を増やす必要があります。普段から音楽に依存していると、本番で些細な物音に動揺しやすくなります。
- 高3夏までは音楽ありの勉強を中心にする
- 高3秋以降は記述演習の時間だけ無音にする
- 模試の数週間前から、本番と同じ時間帯を無音で過ごす
自習室や図書館で雑音耐性をつける
自習室や図書館など、他人の物音がある環境で音楽なしの勉強を経験しておくと、本番の雑音にも動揺しにくくなります。家では完全な静寂を作れても、試験会場では咳や鉛筆の音など完全な無音にはなりません。
地方の公立高校では自習室が整っていない学校も多く、私の場合は近隣の図書館を使って雑音への耐性をつけていきました。本番を想定した環境づくりは、特別な施設がなくても近所の図書館で十分に実践できます。
まとめ
音楽聞きながら勉強は、すべての場面で効果があるわけでも、すべての場面で害になるわけでもありません。モチベーション維持やマスキング効果といったメリットがある一方、歌詞による干渉や音楽依存といったデメリットも存在します。
音楽と相性のよい科目・相性の悪い科目を見極め、受験が近づくにつれて無音の時間を増やしていくことが、本番で実力を発揮するための準備になります。地方の公立高校出身で特別な環境がなかった私自身、この使い分けを意識したことで、受験勉強を最後まで続けられました。
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音楽を聴きながら勉強する習慣そのものは悪いものではありませんが、「どの科目に向いているか」「いつ無音に切り替えるべきか」は一人で判断しづらいポイントです。どこでも東大生では、地方の公立高校から独学で東大に合格した講師が、当時の試行錯誤を踏まえながら、一人ひとりの勉強スタイルに合わせた学習計画を提案します。
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参考文献
- Nature Communications Biology:https://www.nature.com/articles/s42003-024-07026-3

