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中1英単語の覚え方とは|まず知っておくべき大前提
中1英単語の覚え方とは、「発音・意味・スペル」の3点をセットで繰り返し定着させるプロセスのことです。どれか1つだけを覚えようとしても、試験本番で使える語彙にはなりません。
文部科学省の学習指導要領(平成29年告示)解説によれば、中学校3年間で新たに習得すべき英単語の数は1,600〜1,800語程度とされています。小学校で600〜700語を学ぶことを前提にした水準であり、旧課程と比べて学習量は大幅に増加しました。つまり中1の段階から計画的に積み上げなければ、中3になって一気に追いつくことは現実的に難しい状況です。
私自身、地方の県立高校に進学したとき、中学英語の語彙をきちんと整理し直すところから始めました。「単語帳を1回ざっと読んだだけで覚えようとしていた」「書いて練習したつもりなのに試験では出てこなかった」という経験が何度もあり、方法を変えたことで状況が変わりました。特別な才能は関係なく、覚え方の順序と反復回数を変えるだけで定着率は別物になります。
中1で覚えるべき英単語の量と範囲
中1で扱う英単語は、日常生活・自己紹介・身の回りの物・動詞・形容詞などの基礎語彙が中心です。教科書ごとに採用語彙は異なりますが、おおむね400〜600語前後を1年間で扱う設計になっています。
特に重要なのは「動詞の変化形」です。go・went・goneのような不規則変化動詞は中1から登場し、スペルと意味だけでなく変化後の形もセットで記憶する必要があります。家庭教師として中学生を教えていると、この不規則変化を後回しにしたために中2以降で英文法が急に難しく感じられるパターンが非常に多く見られます。
英単語が覚えられない本当の原因
英単語が覚えられない最大の原因は、「1回の学習時間が長すぎて反復回数が少ない」ことです。1時間かけて50語を丁寧にノートに書き写しても、翌日には7割以上を忘れるのが人間の記憶の仕組みです。
私が中学生のころに陥っていた失敗は、「書く量=理解した量」だと思い込んでいたことです。ノートを埋めることに満足して、実際に意味を言えるかどうかのテストを自分でしていませんでした。覚えるためには「思い出そうとする行為」が必要であり、ただ眺めたり書き写したりするだけでは記憶の回路が強化されません。
中1英単語の覚え方|東大生が実践した5つのステップ
英単語を定着させるには、「発音→意味→スペル→例文→テスト」という5段階の手順を守ることが、遠回りに見えて最も効率的な方法です。
私が高校時代に独学で英語の語彙を鍛えたとき、最初に変えたのはこの「順番」でした。スペルを書く前に声に出して発音を確認し、意味を口で言えるようになってからスペルの練習に移る。この順序を守るだけで、書き写す時間が半分以下になったのに定着率は上がりました。

ステップ1:声に出して発音を確認する
最初のステップは、必ず声に出して発音することです。発音を知らないまま覚えようとすると、頭の中で「無音の文字列」として処理されてしまい、定着が著しく遅くなります。
教科書の音声やQRコード、学校配布のCD音源を使って、まず正しい発音を耳と口で確認してください。家庭教師として教えているとき、「スペルは書けるのにリスニングで聞き取れない」という生徒のほとんどは、この段階を省略していました。発音と文字を同時に処理することで、脳内の記憶の結びつきが強くなります。
ステップ2:日本語の意味を即答できるまで確認する
英単語を見たとき、2秒以内に日本語の意味が出てくる状態を目標にします。3秒以上かかるものはまだ「覚えた」とは言えません。
この段階では書かなくていいです。単語カードや教科書の単語リストを使って、英語を見て意味を口に出す練習を繰り返します。1語あたり3〜5秒で次に進み、1周目で言えなかった単語に印をつけておくのが私のやり方でした。印のついた単語だけを2周目に集中的にやる、という絞り込み方で1回の学習時間を短くすることができます。
ステップ3:スペルを手で書いて確認する
意味が即答できるようになった単語だけ、スペルを手で書いて確認します。意味もあやふやなままスペルを書く練習をするのは、時間に対する効果が低い作業です。
書くときは「一文字ずつ見ながら書き写す」のではなく、英単語を数秒見てから紙を隠して書く方法が効果的です。書けなかった場合は、もう一度見てから再挑戦する。この「思い出そうとする行為」が記憶の定着に直結します。1語を10回書くより、1回書いて確認・再挑戦を繰り返す方が圧倒的に効率的です。
ステップ4:短い例文とセットで覚える
単語は「文脈」とセットで記憶すると、忘れにくくなります。教科書の本文に出てきた文をそのまま使うのが最も手軽な方法です。
例えば「get」という単語を覚えるとき、「get=手に入れる」だけで終わらせると、”get up”(起きる)や”get to”(〜に着く)といった重要な使い方が抜け落ちます。教科書に出てくる例文を1文メモしておくだけで、単語の使い方まで同時に頭に入ります。これは東大の英語長文でも、単語を知っているだけでなく文中での使われ方を理解していないと正確に読めない問題が出るため、中1から意識しておく価値があります。
ステップ5:翌日・3日後・1週間後に必ず復習する
新しく覚えた単語は、翌日・3日後・1週間後のタイミングで必ず確認し直すことで長期記憶に移行します。1回完璧に書けても、復習しなければ数日後にはほぼ忘れています。
私が実践していたのは、学習した日付をノートの端に書いておき、3日後のページに「単語確認」とメモするやり方です。計画表を作る必要はなく、ノートに書き込むだけで自然に復習の流れができます。週に1回、その週に覚えた単語をすべてテスト形式で自己確認する時間を15分取るだけで、定着率が目に見えて変わりました。
中1英単語の覚え方|場面別の具体的な活用法
英単語の学習は、授業中・家庭学習・スキマ時間の3つの場面それぞれで役割を分けることで、同じ時間でも習得量が大きく変わります。
授業中にやるべきこと
授業中は「発音の確認」と「例文との紐づけ」に集中することが最優先です。先生が発音するときに必ず一緒に声に出し、例文が黒板に出たらそのまま書き留めます。
授業中に完璧に覚えようとしなくていいです。授業は「初めて出会う場」であり、記憶の定着は授業後の繰り返しで起こります。授業中に「この単語は意味がすぐ出なかった」と印をつける習慣をつければ、家庭学習で何をすべきかが明確になります。
家庭学習での単語ノートの作り方
単語ノートは「英語・発音記号または読み仮名・日本語・例文」の4列構成にすると、後から見返すときに使いやすくなります。
| 英語 | 読み方(カナ) | 日本語の意味 | 例文(1文) |
|---|---|---|---|
| arrive | アライブ | 到着する | I arrive at school at 8. |
| enjoy | エンジョイ | 楽しむ | I enjoy playing soccer. |
| leave | リーブ | 去る・出発する | She leaves home at 7. |
重要なのはノートを「きれいに作ること」ではなく、「すぐに開いて自己テストできること」です。ノート作りに30分かけるなら、その時間を自己テストに使う方が語彙の定着には何倍も効果的です。
スキマ時間を使った反復練習
英単語の反復には「まとまった時間」よりも「短い時間の頻度」の方が効果的で、5分以下のスキマ時間を繰り返し使う方法が最もコスパが高いです。
私が実践していたのは、単語カード(市販の単語カード用の白いカード)に覚えたい単語を書いて束にしておき、登下校中や食事後の5分で確認するやり方です。スマートフォンの単語アプリを使う場合も同様で、長時間取り組むよりも1日3〜4回に分けてそれぞれ5〜10分使う方が、記憶の定着の観点から合理的です。
中1英単語の覚え方でよくある失敗とその対処法
英単語の学習でつまずく原因のほとんどは、方法の問題ではなく「やり方の癖」にあります。典型的な失敗パターンを知っておくことで、同じ間違いを避けられます。
「書いて覚える」だけに頼ってしまう
「書いて覚える」は有効な方法ですが、「ただ書き写すだけ」では記憶の定着にはつながりません。書く行為そのものよりも、「覚えているかを試す行為」が記憶の強化に働きます。
書き取り練習をするなら、必ず「英単語を隠してから書く」という手順を守ってください。見ながら写すだけでは、手を動かす作業になっていても頭は使われていません。家庭教師として多くの生徒を見てきた中で、ノートをびっしり埋めているのに単語テストで点が取れないケースのほぼ全員が、この「見ながら写す」パターンに陥っていました。
意味を1つしか覚えない
中1から登場する多くの英単語は複数の意味を持っており、1つの意味だけで覚えると長文読解や英作文でつまずく原因になります。
例えば「leave」は「去る」の意味だけで覚えていると、「宿題を家に置いてきた(I left my homework at home.)」という文を正確に理解できません。「cold」も「寒い・冷たい」に加えて「風邪」という名詞の意味があります。教科書の例文から複数の意味を確認し、主要な2〜3の意味を最初からセットで覚えることで、後々の語彙の広がりが格段に違ってきます。
覚えたと思ったら復習しなくなる

1回のテストで満点が取れても、2週間後に同じ単語をスラスラ言えるかどうかは別問題です。短期記憶から長期記憶に移行させるには、時間をおいた複数回の復習が必要です。
私は定期テスト直前だけでなく、テストが終わった翌週にも同じ範囲を20分で自己確認する習慣をつけていました。テスト勉強として覚えた語彙は、テスト後に復習しなければほとんどが数週間で消えます。テストの翌週の復習こそが、語彙を本当の意味で「使える状態」に固定する最後のひと押しです。
英単語の覚え方を中1のうちに固めておくべき理由
英単語の学習習慣は、中1で身につけておくと中2・中3以降の英語力の伸びに直結します。これは「語彙数の積み上げ効果」があるためです。
中2・中3への連続性
中1で覚えた単語は、中2・中3の教科書に繰り返し登場します。中1の語彙が定着していれば、中2以降で新出単語の学習に集中できます。逆に中1単語が曖昧なまま進級すると、新出単語と未定着の中1単語の両方を同時に覚え直す状況になり、英語学習の負荷が急増します。
文部科学省の学習指導要領(平成29年告示)解説では、中学校3年間で1,600〜1,800語程度の習得が目標とされています。単純計算で1学年あたり530〜600語前後です。この量は、毎日こつこつと積み上げる前提で設計されており、どこか1学年分が抜け落ちると取り戻すのに相当な時間が必要になります。
高校受験・大学受験への土台づくり
高校入試の英語長文を正確に読むためには、中学校全体の語彙を実際に使える状態で持っている必要があります。中1段階の単語はその最下層の土台です。
私が東大を受験した際、英語の語彙力の土台は高1・高2で固めた部分が大きかったのですが、そのベースになったのは中学英語の基礎語彙が血肉になっていたことでした。中1の単語は簡単に見えますが、難関国公立大の入試英語でも基礎語の組み合わせで構成される文章は多く、中1単語を完璧に使いこなせる状態こそが英語力の実質的な出発点です。
英語の「好き嫌い」は語彙量で決まることが多い
英語を得意教科だと感じる生徒と苦手教科だと感じる生徒の差は、中1〜中2の段階で語彙量に差がついたことに起因する場合がほとんどです。
知っている単語が多いと、長文を読んだときに「だいたい意味がつかめる」感覚が生まれます。この感覚が英語を前向きに取り組む動機になります。逆に知らない単語だらけで長文に向き合うと、読むたびに苦痛を感じ、英語嫌いが強化されていきます。語彙学習は地味に見えますが、英語への印象を変える最も確実な手段のひとつです。
まとめ
中1英単語の覚え方は、「発音→意味→スペル→例文→復習」という5つのステップを守り、1回の学習時間を短くして反復回数を増やすことが基本です。ただ書き写すだけの作業に時間をかけるより、「覚えているかを試す行為」を増やすことが定着への近道です。
また、中1の語彙は高校受験・大学受験にいたるまでの英語力の土台になります。文部科学省の学習指導要領が示す中学3年間1,600〜1,800語の目標を達成するには、中1段階から毎日少しずつ積み上げる習慣が欠かせません。才能や センスではなく、正しい手順と継続が結果を決めます。
参考文献
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」:https://www.mext.go.jp/content/20210531-mxt_kyoiku01-100002608_2.pdf

