共通テスト情報Ⅰの対策|出題内容・平均点・勉強法を東大生が解説

共通テスト情報Ⅰの対策|出題内容・平均点・勉強法を東大生が解説

共通テスト「情報Ⅰ」は、2025年1月から加わった60分・100点満点の全問必答の科目で、国立大学では原則として受験が必要です。

私は情報Ⅰが共通テストに加わる前の世代ですが、家庭教師として受験生と2025年・2026年の問題を一緒に解いてきました。新しい科目なので不安に感じる人が多いものの、出題の形はすでに2年分の本試験で見えてきています。

2027年度は2日目の最後の科目

2027年度の共通テストは1月16日・17日に行われ、情報Ⅰは2日目の17時00分〜18時00分に実施されます。理科・数学のあとの最終科目なので、疲れた状態で60分集中する準備も対策の一部です。解答はすべてマーク式で、選択肢を選ぶ問題のほか、数字や16進法のA〜Fをマークする問題もあります。

国立大学は原則として必須

国立大学協会は、一般選抜の共通テストで従来の5教科7科目に「情報」を加えた6教科8科目を課すことを原則としています。配点や使い方は大学ごとに違うため、志望校の入試要項で確認が必要です。

平均点は1年で12点以上下がった

年度(本試験)受験者数平均点
2025年度279,718人69.26点
2026年度305,202人56.59点

2年目の平均点は12.67点下がりました。「新科目だから易しい」と考えて対策を後回しにするのは危険です。

情報Ⅰは学習指導要領の4つの分野から出題され、2026年度は小問集合・情報システムと画像・プログラミング・データ活用の4つの大問でした。

出題のもとになる4つの分野

  1. 情報社会の問題解決
  2. コミュニケーションと情報デザイン
  3. コンピュータとプログラミング
  4. 情報通信ネットワークとデータの活用

2026年度の大問構成

大問(配点)題材問われた内容
第1問(20点)小問集合記憶装置、情報セキュリティ、16進法、入力画面の設計、電子メールとDNS
第2問(30点)住民証明のシステム/画像の合成情報システムの設計、ビット演算(AND・OR・NOT)、ヒストグラム
第3問(25点)文化祭のゲームの待ち時間プログラムの穴埋め(配列・繰り返し・関数)
第4問(25点)桜の開花日欠損値、散布図と相関係数、箱ひげ図、回帰直線

大学入試センターは、身近な題材や初めて見る資料を使って考察する力を問うと方針で示しています。用語の暗記だけでなく、資料を読んで考える練習が欠かせません。

プログラミングの問題は大学入試センター独自の表記で書かれるため、特定の言語を覚えるより、その表記を読んで処理を追う練習が近道です。

独自表記で押さえたい文法

  • 条件分岐:「もし x < 3 ならば:」「そうでなくもし」「そうでなければ:」
  • 繰り返し:「i を 0 から 9 まで 1 ずつ増やしながら繰り返す:」「n < 10 の間繰り返す:」
  • 演算:「÷」は整数の商、「%」は余り、「==」は等しい、「and・or・not」は論理演算
  • 配列:添字は特に説明がなければ0から始まる

「表示する」以外の関数は、問題文で説明されるのが基本です。2026年度も「要素数」「最大値」の働きが問題文に書かれ、配列の添字は1から始まると明記されていました。問題文の約束を最初に確認する習慣が失点を防ぎます。

指導者として勧めるトレース練習

2026年度の第3問は、来訪者ごとに開始時刻・終了時刻・待ち時間を表にまとめてから、同じ処理をプログラムにする流れでした。普段から変数の値を1行ずつ表に書き出す「トレース」を練習すると、穴埋めの答えが表から自然に決まります。

処理の改良まで問われる

同じ第3問の後半では、体験時間を1分から15分まで変えて最長待ち時間を調べるプログラムを、条件を満たさなくなった時点で止まるように書き換えました。「and」を使った繰り返しの条件や、書き換えによって処理の実行回数がどう減るかまで問われています。プログラムを読むだけでなく、効率よく直す視点も練習しておきます。

プログラミング以外の3分野は、教科書の用語と計算の型を押さえたうえで、図表を読み取る演習を重ねると安定して得点できます。

データ活用は数学と一緒に復習

2026年度の第4問では、散布図と相関係数、箱ひげ図、回帰直線の読み取りが問われました。数学の授業でも扱う統計の内容なので、数学と同じ時期にまとめて復習すると効率的です。0を欠損値と見抜く問題もあり、データをそのまま使えるかを疑う視点も必要です。第1問でも、入力画面の初期値を中央値・最頻値などから選ぶ問題が出ており、代表値の意味の違いが問われました。

2進法・16進法と論理演算

刺繍の図案を16進法で表す問題や、AND・OR・NOTで画像を重ねる問題が出ました。2進法と16進法の変換、真理値表を使ったビットごとの計算は、手を動かして練習すれば確実に得点源になります。問題文には「1画素を4ビットで表した16階調」「8ビットで256階調」といった前提も出てくるので、ビット数と表せる数の関係は即答できるようにしておきます。

ネットワークと情報社会

電子メールが届かない原因を送信側・受信側のサーバで考える問題や、DNSの役割を問う問題が出ました。セキュリティの「可用性」などの用語や、オープンデータの性質も問われるため、教科書の太字語句は意味まで説明できる状態にしておきます。

情報システムの設計は図で追う

2026年度の第2問Aは、住民証明を電子化する仕組みを段階的に改良する問題でした。図の矢印と番号から「誰が何をいつ受け取るか」を追い、アクセスコードと確認依頼コードの違いを考えさせる内容です。知識よりも、図の情報を整理する力が得点を左右します。

情報Ⅰは教科書の理解、分野別演習、本番形式の演習の3段階で進め、遅くとも高3の秋には過去問に取りかかるのが目安です。

高3の夏までは教科書を一周

まず学校の教科書で4分野の用語と仕組みを一通り理解します。プログラミングは、大学入試センターが公表している表記の例示を見ながら、条件分岐と繰り返しを読めるようにしておきます。例示には二分探索のプログラムとフローチャートを並べた資料も載っているので、最初の教材として使えます。

秋は過去問と試作問題で演習

大学入試センターのWebサイトでは、2026年度の本試験・追再試験の問題と正解や、試作問題が公開されています。大問ごとに時間を計って解き、間違えた問題を「知識不足」「読み違い」「時間不足」に分けて記録すると、弱点がはっきりします。

直前期は本番の時間帯に合わせる

本番は2日目の夕方です。12月以降は、数学や理科を解いたあとに60分通しで情報Ⅰを解く練習をして、疲れた状態でも時間配分を守れるようにしておきます。

指導者として勧める得点の積み上げ方

私が生徒に勧めているのは、用語と計算で答えられる第1問と、図表を読むデータ活用の問題でまず確実に点を取り、プログラミングで上乗せする順番です。プログラミングが苦手でも、トレースの練習を続ければ穴埋めの前半は取れるようになります。

共通テスト情報Ⅰは、出題分野と独自のプログラム表記を知り、過去問で資料を読む力を鍛えれば、文系・理系を問わず得点源にできる科目です。

  • 60分・100点・全問必答で、2027年度は1月17日の17時から実施
  • 平均点は2025年度69.26点から2026年度56.59点に下がった
  • プログラミングは独自表記を読み、変数の値をトレースする練習が中心
  • データ活用は散布図・箱ひげ図・回帰直線の読み取りを数学と一緒に復習

情報Ⅰにどれだけ時間を割くかは、志望校の配点とほかの科目の仕上がりによって変わります。どこでも東大生では、東大生講師が共通テスト全体の目標点から逆算した週間学習計画を毎週作成し、情報Ⅰを含めた科目のバランスまで伴走します。

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  • 大学入試センター「令和9年度 受験案内(A 試験概要)」:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r9/r9_jukenannai.html
  • 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r9/index.html
  • 大学入試センター「受験者数・平均点の推移(本試験)」:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/suii/R3_.html
  • 大学入試センター「令和8年度 本試験の問題・正解(情報Ⅰ)」:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/kakomondai/r8/r8_honshiken_mondai.html
  • 大学入試センター「令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等(試作問題「情報」の概要・共通テスト用プログラム表記の例示)」:https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/kako_shiken_jouhou/r7/r7_kentoujoukyou/r7mondai.html
  • 国立大学協会「2024年度以降の国立大学の入学者選抜制度―国立大学協会の基本方針―」:https://www.janu.jp/wp/wp-content/uploads/2022/01/20210128_news_001.pdf